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【外壁塗装】塗装職人が徹底解説!誰でもわかる下塗りの重要性

外壁塗装は10年を過ぎてくると塗り替えのタイミングになってきます。外壁塗装は大きく分けて下塗り、中塗り、上塗りに分かれています。今回は下塗りの重要性について解説していきます。安くなるのであれば下塗りしなくても良いと思っている方は、ぜひ最後まで読んでください。下塗りをしないことで大切な家が傷ついてしまう可能性があります。

 

塗装職人として20年以上、塗装屋を開業して10年の経験豊富な株式会社下井建装の職人がこの記事を書いています。ブログを通じてあなたの住まいを安心・安全な形で塗装できるように日々発信しています。何か気になることがありましたらいつでもご連絡ください。お問い合わせはこちら

 

 

日曜大工と外壁塗装との違いとは?

日曜大工の中にペンキ塗りがあります。塀や柵など自分の好きな色に仕上げていきます。見た目が良ければすべて良し!それが日曜大工。しかし外壁塗装は見た目ももちろん重要ですが、それ以外にも雨風、太陽光、湿度、気温変化などの自然負荷による劣化から守る重大な役目があります。

そもそも塗装していない家には防水機能がありません。外壁塗装を行うことで防水・防塵・断熱ができるようになります。

外壁塗装は単なる塗装ではなく、築年経過で防水機能や耐候性が衰えた外壁の機能回復工事ということができます。

 

下塗り塗装の本当の役割

下塗り塗装の重要性

外壁塗装には大きく分けて、下塗り・中塗り・上塗りがあります。

下塗りは外壁塗装の基本です。下塗りには、中塗り・上塗りと全く機能も成分も違う塗料を使います。役割は2つあります。

 

一つ目は、外壁材と塗料の接着力を高める

色々な種類がある外壁材と中塗り・上塗り塗料の間にいれることで接着力が上がります。耐久性や耐候性に優れた外壁塗膜をつくることが目的です。下塗り工程を正しく行わないと、中塗り・上塗りにも大きく影響してきます。

 

二つ目は、外壁材への塗料染み込みを防ぐ

もし下塗りをせずに中塗り・上塗りするとどうなるかもうわかりますね。塗料が直接外壁に染み込みます。そこに気泡や不純物が入ってしまうと、外壁の劣化につながるのはいうまでもありません。

 

下塗り塗料の種類

外壁塗装の主な下塗り塗料は「シーラー」、「プライマー」、「フィラー」の3種類です。それぞれの違いは次の通りです。

シーラー

シーラーは外壁材に中塗り・上塗り塗料を密着させる接着剤としての機能を持っています。また、外壁材への中塗り・上塗り塗料の染み込みを防ぐ抗浸透機能も持っています。

外壁にシミややひび割れがない場合は、下塗りにシーラーを用います。シーラーを塗るとシミやひび割れが塞がれて外壁が平滑化するので、後工程の中塗り・上塗り塗装がきれいに仕上がります。

シーラーには水性タイプと油性タイプがあり、水性タイプのシーラーはコンクリート、モルタル、石膏ボードなどの外壁材にしか使えません。それ以外の外壁材の場合は、油性タイプの「浸透性シーラー」を使います。水性タイプのシーラーと比べて接着力が強く、外壁材の内部まで下塗り塗装ができるので、外壁自体の強度も高められます。浸透性シーラーは、主にPC板、ALC板、GRC板、押し出し成形板、窯業系サイディングボード、風化してしまったコンクリートやモルタルなどの外壁材の下塗りに使用されます。

プライマー

機能はシーラーと基本的に同じです。外壁材が鉄、ステンレス、アルミなど金属系サイディングボードやパネルの場合に使用します。

プライマーには外壁材のさび落とし機能はないので、下塗りをする前に外壁材に発生したさびをサンドペーパーなどで除去しておく必要があります。

フィラー

フィラーはシーラーやプライマーにパテ機能を追加した下塗り塗料です。

外壁にシミ、ひび割れ、凹凸などができていて、中塗り・上塗りが困難な外壁の場合、外壁材の表面を平滑化する下塗りとして使用します。機能はシーラーと基本的に変わりませ

 

 

 

外壁塗装成功のコツ

見積書をチェックする

見積書をチェックすると、塗装工事業者の信頼性をある程度見分けられます。信頼性の高い業者の場合、見積書には工程ごとの塗装法、塗料の種類、工事費などを分かりやすく記載してあります。

工程ごとの見積もりではなく3工程一括の見積書を出してきた業者の場合は信頼性に欠ける可能性があります。工程ごとの見積もりは必ず細かく確認するようにしましょう。

 

工程をチェックする

下塗り、中塗り、上塗りは最短でも1日1工程しかできません。したがって、塗装工事の日数を確認すれば、3工程をきちんとこなしたのか否かの判断ができます。

外壁塗装は建物の規模、天候などにより工期が変動しますが、下塗りから上塗り完了まで平均1週間かかります。これが3、4日で終わってしまうような場合は、下塗りか中塗りを飛ばしている可能性があります。

中塗りと上塗りの塗料を変えてもらう

下塗り塗料は中塗り・上塗り塗料と成分も色も全く異なるので、一般の家主でもその違いは分かります。分からないのが中塗りと上塗りの違いです。中塗りと上塗りは基本的に同じ塗料を使う「重ね塗り」なので、工事終了後ではきちんと重ね塗りをしたのか否かの判断ができません。

そこで、信頼性に不安を感じた場合は、中塗りと上塗りの塗料の色を変えてもらうとよいでしょう。そうすれば、重ね塗りしたのか否かが一目瞭然です。重ね塗りの塗料の色を変えても、中塗り塗料が完全に乾燥してから上塗り塗料を塗布するので、互いの色が干渉し合って上塗りの色合いが変わってしまう恐れはありません。

もし、色の干渉を理由に塗料の色変えを拒むようであれば、中塗りを省略しようとしている可能性もあります。こうした業者は要注意です。

 

費用の安さで業者を選んぶと必ず後悔

外壁塗装をする際、複数の業者に相見積もりをとり、一番安い見積もりを出してきた業者を選ぶのはごく一般的なこと。しかし、あまり安すぎる場合は注意が必要です。そもそも外壁塗装は難易度が高く、完成度の高い外壁塗装には職人の熟練技と経験を要します。手抜き工事を防止し、耐久性と美観に優れた外壁塗装を実現するには、何よりも信頼できる業者への依頼が先決といえるでしょう。